人工授精 artificial insemination
人工授精とは
人工授精(AIHまたはIUI)は精子を子宮内に直接注入することで、精子と卵子が出会うための複雑な経路を人工的に短縮し、それぞれが卵管内で出会う確率を高める治療法です。子宮内に注入された精子は自力で卵管内へ移動し、排卵後に卵管内に取り込まれた卵子と自然に出会います。
人工授精という名前からは「人工的な妊娠」をイメージしがちですが、実はかなり自然に近い治療法と言えます。
適応
- 男性不妊症(乏精子症、精子無力症)
- 原因不明の不妊(タイミング指導で妊娠に至らない場合など)
- 性交障害(ED、射精障害、重度の性交痛など)
方法
1. 採血・採尿および超音波検査
採血・採尿および超音波検査にて排卵の時期を見つけます。
排卵直前の状態であることがわかれば、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の注射をし、その翌日に人工授精を行います(hCGの注射後36時間以内に排卵が起こると考えられています)。
2. 採精
人工授精当日は、当院またはご自宅で採精をしていただきます。前日は射精を控えていただくようお願いします。
尚、人工授精は予約が必要な治療であり、また時間厳守となります。(午前 9:00 ~ 10:00、午後 14:30 ~ 15:30)
院内採精
まずご主人のみで構いませんので来院していただき、採精室にて採精していただきます。採精終了の約1時間後に奥様に来院していただき、人工授精となります。
自宅採精
自宅採精後、30分以内に当院まで持ってきていただける方が対象となります。お持ちいただくのはご主人でも奥様でも構いません。
院内採精同様、お持ちいただいてから約1時間後に人工授精となります。尚、容器は専用のものをお渡しします。
3. 調整
精子の調整は、精液を培養液と混ぜて遠心分離を行い、不純物を取り除き、運動性の良好な精子を回収します。
4. 注入
調整した精子をカテーテルという細くて柔らかい管を使って子宮内に注入します。
通常、痛みを伴わず1~2分で終了します。
5. 人工授精後
人工授精後の日常生活には特に制限はありません。
費用
約7,000円前後(保険適用)